今宵逢う人みな美しき

綺麗なモブになりたいジャニオタの独り言

二人の僕を通して見える「あなた」~京本大我×松村北斗「ってあなた」をめぐって~

こんにちは。かすみです。

 

待望のSixTONES1stフルアルバム「1ST」が発売されましたが、皆さんもうお手に取られましたか?先日のライブ配信もありましたし、各自各々いや各自、「1ST」を楽しまれている頃かと思います。もしも買ってない方がいらっしゃいましたら、下記リンクからどうぞ。

ちなみに今回取り上げる「ってあなた」は、初回盤Bに収録されていますので、購入はお早めに!

 

楽曲全体が非常に高い仕上がりなので、アルバム全体の感想や評価を書きたいところでもありますが、今回はその中から「ってあなた」という楽曲に焦点をあててエントリを書きます。

 

先に言っておきますが、正直今しんどいです。

普段から仲のいいオタクの友人が「なんか様子がおかしい、いつもと拗らせ方が違う」とわたしの生死を心配してラインをしてくるくらいには、「ってあなた」に狂っています。誰の所為ってキレたいのはこちらの方です松村さん。

 

 

 

  「ってあなた」歌詞考察

 

アルバム収録曲のタイトルが発表になった数日後、SixTONESのセルフライナーノーツが公開されました。

「ってあなた」のセルフライナーノーツには、こう書いてあります。

 

「弱い男目線で歌った、切なさともどかしさが詰まっているバラードとなっております。(京本)」

 

まあまあ、はい、“弱い男”ね…と、あえて「こういう仕上がりになったら、わたしでも耐えられる!」という方向に思考を持って行ってみたものの、正直そんな期待外れのものが彼ら、特にきょもほくの二人から提供されるわけがないという確信は頭の片隅にありました。未練の描き方にも色々な感覚や手法がありますが、昨今流行りの最悪の未練の描き方など、この二人から生まれるわけがありません。

それでも自分の命は惜しいので、いっそどうかそちらの方向性で…と祈りながら、何度もこのコメントを読みました。

 

さて、「ってあなた」の中にいる男は、どんな“弱い男”だったのでしょうか。

 

 

「ってあなた」

作詞・作曲・編曲 SAEKI youthK

 

あなた 火をつけたなら消してって

遊んだら 元ある場所へと仕舞って

 

今回の楽曲で何度も登場する、印象的なフレーズです。一番印象的なフレーズがやっぱり一番しんどい

 

恋愛関係の慣用句には「焼け木杭には火が付き易い」なんてものもありますね。火という単語は、その勢いや動き、強弱を、恋愛における感情の揺らぎや目まぐるしい状況の変化に重ねて使われている印象です。

恋という行為において「火をつける」という言葉は、相手に働きかけて好意や情熱を生じさせることを言います。明確にエピソードが描かれているわけではありませんが、僕からしたら「あなたが僕に火をつけたせいで僕はこんな風になってしまった」という言い分になるのでしょう。

 

次に出てくるのは「遊んだら 元ある場所へと仕舞って」というフレーズ。「遊んだら」という言葉からもわかる通り、(僕の意思はともかくとして)あなたは僕で遊んでいただけだ、という悲しい認識です。「仕舞って」という単語が続くことにより、おもちゃや物の片付けを連想させるのがまた切ないですね。

 

つまり、あなたは僕を翻弄していただけ、この恋はお遊びでしかなかったんでしょ、だったらちゃんと責任とってよ、という八つ当たりにも近い僕の言葉でこの曲は始まります。

 

 

居なくていいんじゃない?

触んないで愛で満ちたような

フリしたその手で

ずるいわ、あぁ

 

「居なくていいんじゃない?」という言葉は、僕からの問いかけです。この時“居なくていい”のは恐らく僕でしょう。

あなたにとって居なくていいはずの僕に対して「愛で満ちたような フリしたその手で」触れてくる行為が、まさに「火をつけた」の内のひとつなのかな、と思います。し、恋人に与えるような愛に満ちた手で触れられることの苦しさに耐えかねて、「フリしたその手で」という言葉を選んでいるのかな、とも思います。苦し紛れの強がりやごまかしの印象です。

 

また、これは憶測ですが、世界で一番愛している恋人に送る愛と重量や濃度が違ったとしても、彼女の手に愛がこもっていなかったとは言い切れないような気がします。量が少なかったとしても、ほんの少し存在した愛すらも認めたくなかった僕の虚勢がこもっているのかなと思いました。愛の存在を認めてしまったら、もっと縋ってしまうから。自分から無いものとして扱ったのでしょうね。

 

 

「怖くて眠れない」

痩せ細った僕の感情を

飼い慣らしてどうすんだい?

もうやめてくれよ

 

ここの「怖くて眠れない」は彼女の台詞かな、と。声に出た僕の独り言と考えても違和感はないですが、「飼い慣らしてどうすんだい?」「もうやめてくれよ」という言葉が続くので、弱い言葉で彼女に縋られた状況が想像できます。恐怖感をだしにして、僕のことを繋ぎとめている感じとでも言うのでしょうか。

そんな風に弱い言葉で縋られたら、頼られたら、僕は君のことを捨てられない。気持ちは疲弊してすり減っていくのに、君から離れることができない。弱々しい君の態度に比例して、僕も弱っていく…。そんな嘆きが透けて見える歌詞が、あまりにも痛々しいなと思いました。最後の最後に「もうやめてくれよ」と吐き捨てるように言っているのも、つらいです。

 

 

今すぐに千切ってやりたい

っていうわけじゃない

けどあんまりだろ笑えない

冗談でも笑えない

 

ここの「千切って」という言葉が、個人的にとても印象的でした。「千切ってやりたい」という気持ちは理解出来ますが、切るとか捨てるとか別れるとか、結果が同じになる言葉はいくらでもあります。でも選ばれたのは「千切って」なんだ…という、驚きとでも言うのでしょうか。シンプルな縁の切れ目というより、もう二度と戻すことが出来ないのではという自暴自棄な覚悟すら感じるような、そんな切れ目を連想させますね。

それに、わたしが例として列挙した単語だと、動作の主語に立っている人物が優位に見えますよね。でもここで「千切ってやりたい」という動作に対する意思表示があることにより、飼い犬が飼い主の手を噛むような立場の印象を与えることもできます。

つまり「千切ってやりたい」というのは、別れたい、関係を切りたいというこちらから発した意思という解釈が一番の正解だと思います。

そして前パートで書いた「僕のことを繋ぎとめている感じ」という感想に繋がるのですが、いわゆる束縛とは違う、見えない鎖で繋がれ続けている感覚への「千切って」でもあるのかなと思いますね。個人的な所感ですけど。

 

しかしここで「今すぐに千切ってやりたい」と言ったと思ったら、「っていうわけじゃない」という打ち消しの言葉が続きます。関係切りたくないんかい!と思わずつっこみを入れたくなってしまうほどの、よく出来た“弱い男”です。

またこの修辞法(緩叙法だと思われる)が、実にこのパートを担当する北斗くんらしい表現だなと感心してしまいます。曲中に登場する“弱い男”像を守りながら、彼自身の魅力のひとつである、ちょっとめんどくさいところが表現されているなあと思いました。

最初から直接的に「別れたくない、離れたくない」と言わず、一度強がってから「本当はそういうわけじゃないんだけど…、」と口ごもるこの感じ。まさに“弱い男”です。

 

それでも心の中では静かに苛立っていて、怒ってもいる。こんな状態にある自分たちのことを思えば笑えるわけがないと、苛々している様子が伝わってきます。これまでの「別れたい…っていうわけじゃないけど」という、怒り未満の煮え切らない感情が前提にあるので、余計に苛立ちが強調されているようです。それでも結論から言えば「別れたくない」が僕の答えになるのだから、どうしようもないですね。

 

 

消えそうな 愛の行方はどこだか

あぁまだ わからなくても良くなくもない

ってあなた 火をつけたなら消してって

遊んだら 元ある場所へと仕舞って

 

「ってあなた」の中で強烈な印象を残すのは、何と言ってもここの「わからなくても良くなくもない」という二重否定表現ですよね。

先ほどの緩叙法もそうですが、あえて遠回しな表現を選ぶことで、僕の意思の弱さや揺らぎ、強がりながらも、どうしても伝えたいと思っていること…など、複雑な気持ちの表れを感じ取ることができます。

結果から言えば「良くなくもない」は“良い”の意味になるのですが、“良い”と書かないことで、“良い”とは断定出来ない、という消極性を表現しています。“わからなくても良い”という強い意思のニュアンスではなく、“わからなくても良い。…と、僕は思うけど”のような、気持ちの弱りの表れです。

 

いつの間にか自信が持てなくなってしまった愛の所在を僕は憂いて、どうかこの愛が“別れ”という場所に辿り着くことがありませんように、と祈るような感じでしょうか。直接懇願することも出来ないし、強気に出ることも出来ない。だからあくまで自分の意思表示だけして、僕は最悪の事態にならないことを祈るだけ。そんな風に見えますね。

 

そして冒頭でも出てきた、あなたに向けた悲痛な呟きです。物語が進めば進むほど、言葉が持つ痛々しさが剥き出しになっていきます。

 

 

触っていいのかい?

膨れ上がった憂いと 蔓延るヘイトも

そう悪くはない 期待しないですむだろ?

君ではない未来 次第に見えて

 

1番でもこの形の問いかけがありましたね。僕は愛を込めてあなたに触れてもいいのだろうか、そんな迷いが感じられます。というより、僕からあなたに向けた重すぎる愛があるのは前提だとして、それを二人の間で認められたものとして扱って、あなたに触れる手に込めてもいいのだろうか、という迷いですかね。本当の愛が存在してはいけない間柄なのに、僕の中にはもう生まれてしまっている。あなたはフリだろうけど。

…というのが、1番との比較で見える印象です。

 

「膨れ上がった憂い」も「蔓延るヘイト」も僕の中にあるものだけど、恐らくあなたには見せたことがないものなのだろうと思いました。もしかしたらそれを言葉に出すことで変わったことがあったかもしれないし、それを言葉にしたら一瞬で全てが崩壊することもあったかもしれない。でも前者に希望をかけきれるほど強い人間ではないから、後者に怯え続けて、自分の中だけでずっと拗らせてしまったのかなと。

自分の中だけで育て続けた負の感情は、精神衛生上いいものではなかったはずです。それでも僕にとっては、“もしかしたら僕たちは”という希望を考えなくて済む、ストッパーのような存在だったのでしょうね。期待した分あとで傷つくのは自分です。僕が勝手にそう思っているだけ、相手からの見返りや、前向きな可能性なら考えない方が楽…そんな声が聞こえてくるようで、とても苦しいです。

 

期待しないようにしてはいるけど、そうなったらいいのにという望みは絶対にあったはず。けれどもそれすら失われ始めて、「君ではない未来」が「次第に見えて」しまった。そんな絶望が読み取れます。

そしてひとつ気になったことがあるのですが、この部分は作中で唯一相手の事を「あなた」ではなく「君」と呼んでいます。現在ではなく未来のことを考えた時だけ、一瞬気持ちの上では立場が対等になったのでしょうか?でもこの話の中で対等になれるということは、今の関係ではなくなっている(いい意味か悪い意味かは明言しない)ことを意味するような気がします。どちらにしても、未来のことは考えたくはないですね。

 

 

返してよ My life

リプライやメンション・通知も来ない物語(ストーリー)

ヨリ戻りはしないのに Why?

踊り狂い 悶えたらいいの?

 

TwitterやInstagramを連想させる単語が並んでいるのをみると、ああ、令和だなあと思います。

20年後30年後にこの歌詞を読んでどれくらい理解されるのかはわかりませんが、全世代に伝わらないかもしれない今っぽさがあるのが、今の彼らの存在にリアリティを持たせている印象です。等身大の今の二人っぽい感じ。彼らの存在を通して想像される20代半ばの僕が抱く痛みは、大人になり切れない大人が抱く痛みや苦しみを如実に表現していると思います。

リプライがつかないのは、誰にも関心を持たれていない陳腐な恋の話だからなのか。メンションされないのは、喧伝すべき話ではないからなのか。そもそもそのどちらも、実は誰にも見られることがない鍵アカウントで展開されている恋のストーリーなのだろうか。そんなことを一瞬で連想させる、今っぽい表現です。そう考えると、“この二人の関係は本来明るみに出るべきものではない”という答えが見えます。

しかし二人がどんな関係かは明言されていませんし、この歌が他の背徳的な歌に比べて、相手の恋人の存在がどこにも感じられないのも気になっていました。指輪や着信、香水など、相手の恋人や配偶者を感じさせるものがひとつも出てきません。それでも全体を読めば、この二人が前向きな交際関係にないことはわかります。

 

「ヨリ戻りはしないのに」もまた、意味ありげです。もしかしたらあなたは既に恋人に振られていて、その慰み者として僕との関係が存在しているのかも、とここで思いました。僕はあなたにとって、セフレと恋人の中間のような在り方なのかな。それはとても残酷な位置づけだとは思いますが。

 

恋人とヨリが戻るわけもないのに、僕だけに真摯な愛が向けられることはないわけです。それでもあなたといることを選んで消費された自分の人生と時間は確かに存在していた。それを返してというのも、憂いを膨らませたのも、憎しみを抱いたのも、自分勝手な事だと僕は心得ているのだと思います。本当に嫌なら、関係を変えたかったのなら、ちゃんと伝えればよかっただけのこと。

それをしないで狂っていったのは自分だ、自業自得だという自覚が「踊り狂い 悶えたらいいの?」に込められているような気がしました。

 

 

“ここまでは良かった”

なんて言うつもりはない

最初から最後まで、ほら

筋書き通りなんだろう?

 

「“ここまでは良かった”」というのは、愛を抱く前の段階を指すのでしょう。こんな風にあなたとの関係が切れることを怖がる前の、ただの体の関係だけで気持ちの整理がついていた頃のことでしょうか。

ただの慰み者として傍に置いた僕が、こんな風になってしまうところまでがあなたの「筋書き通り」だと、自虐的に嘆いています。

 

この部分を聴くと「つもりはない」の部分が、復唱するように追いかけてかぶせる歌い方をしているのが分かります。主旋律と上ハモ・下ハモ、ユニゾンなどの歌い方を散りばめながら歌われている「ってあなた」ですが、場所をずらすなどの工夫を施し、二人の声が独立して聞こえつつも同じフレーズを歌う部分は「つもりはない」のみです。

MVは、全く同じシチュエーションの世界なのに、並列する別の時間軸として扱っているパラレルワールドのように撮られています。ここであえて二人の声が独立しているように聞こえるのは、二つの世界線にそれぞれ別の“弱い男”が存在していることの象徴のようにも思えます。

 

 

見えそうな 時の行方はなんだか

あぁまだ わからなくても良くなくもない

ってあなた どこに行くのか教えて

虚ろなまま 暗夜へと消えてしまって

 

「時の行方」が、この恋の終わり方を示すものだというのは分かりやすいですが、「見えそうな」というあいまいな単語が気になります。たとえばこれが不倫や浮気の状況であれば、多くの人が“いつか終わりはあるもの”“未来などないもの”として考えますよね。でもここでは「見えそうな」という、見えているのかいないのか、見えるものなのか見えないものなのか、その辺りが濁されています。

それでも望みが薄いことは、はなから分かっていること。「見えそうな」という言葉で“希望がなくはない”という風にごまかしても、その可能性が極めてゼロに近いものであることから無理やり目を逸らしているかのようです。

 

そしてまたここでも二重否定表現が登場します。この恋の終わりなんか、来ないままでも、分からないままでもいいと僕は思うけど…。そんな風に小さな声で望みを吐き出す僕の様子が想像できますね。

 

それでも、あなたが主導権を握るこの恋の行方がどこに向かっているのかは、僕にはわからない。僕には主導権もないし、僕の意思は尊重されないけど、大きな声をあげることも出来ない。そんな中で頼ることが出来るのはあなただけなのに、そのあなたは、僕の手を握ったまま「虚ろなまま 暗夜へと消えてしまって」…。

見えそうで見えない未来と、僕たちと愛と時の行方は暗夜の中。そんな絶望をここでまた叩きつけられた気分です。

 

 

ぽつりと 零した

寂しさで壊れそう

脆いのは誰の所為?

 

このパートを北斗くんが担当すること、それ即ち死

というのが、わたしのオタク人格の本音です。

 

ここまでずっと声をあげることを我慢してきた僕がやっと声をあげたと思ったら、それは「ぽつりと 零した 寂しさ」でした。

言葉や感情というのは不思議なもので、心の中に秘めている苦しさに耐えかねて口から零した瞬間、その感情が爆発したかのように何倍にも膨れ上がって、自分を覆いつくしてしまうものです。ここまでずっと耐えてきた分、たった一言“寂しい“と零してしまったことが、自分を崩壊させるきっかけになってしまった。しかしながら、僕自身がここまで弱く脆い人間だなんて、僕も思っていなかったのでしょう。

けれどもう僕も限界です。一度零した「寂しい」から逃げることは、もう出来ない。それがあなたの前での出来事だったのか、独りでいたときの出来事だったのかはわかりません。感情を言葉にして口に出すという行為を通して自分の中にある「寂しさ」を認識した瞬間が、僕の崩壊への大きな一歩であり、脆弱な砦が崩れた瞬間だったのだと思います。

その脆さを暗にあなたの所為にしているところが、八つ当たりであり真実の指摘だと思うと同時に、こんなに胸が締め付けられるフレーズはないとも思ってしまいました。愚かで痛々しくて、嫌でも愛おしくなってしまう、こんな言葉選び…。

 

 

消えそうな 声が届けば最後に

さよなら 言い捨ててやりたいのに

 

先程のパートを北斗くんが担当することのしんどさはちらっと書きましたが、きょもちゃんがこのパートを歌うことも何というか、心中お察しいたします…な案件だなと思います。

 

「消えそうな 声が届けば」の前提がある時点で、既に声が消えていることを指摘するのは野暮かなと思いますが、それでも「言い捨ててやりたいのに」という強い意思をのぞかせるのは、僕の最後の強がりでしょう。強がるだけの元気はもう残っていないはずなのに、精一杯の虚勢を張って、別れの言葉は自分が吐き捨ててこの恋を終わらせたい、と述べています。

読んでいるこちらが苦しくなるくらいの愚かな強がりだなと思いました。目も当てられないくらいの限界状態なのに、必死に声を上げているその姿は、“痛々しい”という言葉でしか表現することができません。

 

 

消えそうな 愛の行方はどこだか

あぁまだ わからなくても良くなくもない

ってあなた 火をつけたなら消してって

遊んだら 元ある場所へと仕舞って

 

「どうかこの愛が“別れ”という場所に辿り着くことがありませんように、と祈るような感じ」と、前半に記しましたが、同じ歌詞が繰り返される最後のサビ部分ではその重みがぐっと増したように感じます。重みはぐっと増したけど、それはもう手遅れの段階で口を突いて出た最後の祈りの言葉に過ぎません。こんなことにならなければ良かったのに、そんな悲痛な嘆きのように聞こえます。

曲中でずっとハモっていた二人の歌声が、ここの「ってあなた」で唯一ユニゾンになるのもまた、粋な歌割りだなと思います。切実すぎる、あなたへの呼びかけのようで。

 

僕をこんな風にしたのだから、あなた、ちゃんと火を消していって。好きに遊んだ僕のこと、ちゃんと元の場所に仕舞ってから帰って。僕の最後の強がりです。

それでもやっぱり、直接懇願することは出来なかったし、強気に出ることも出来なかった。最後の最後に独りごちた僕の言葉は、虚空を漂って暗夜の中へ。

 

 

…以上が、歌詞から見る「ってあなた」の考察になります。

 

 

    「ってあなた」MV考察

 

今回のMVには、小説のような小見出しが4つついています。その4つの小見出しに沿って歌詞を区切り、場面考察を進めて行きたいと思います。

 

1・別れのはじまり

 

あなた 火をつけたなら消してって

遊んだら 元ある場所へと仕舞って

 

居なくていいんじゃない?

触んないで愛で満ちたような

フリしたその手で

ずるいわ、あぁ

 

「怖くて眠れない」

痩せ細った僕の感情を

飼い慣らしてどうすんだい?

もうやめてくれよ

 

今すぐに千切ってやりたい

っていうわけじゃない

けどあんまりだろ笑えない

冗談でも笑えない

 

消えそうな 愛の行方はどこだか

あぁまだ わからなくても良くなくもない

ってあなた 火をつけたなら消してって

遊んだら 元ある場所へと仕舞って

 

 

触っていいのかい?

膨れ上がった憂いと 蔓延るヘイトも

そう悪くはない 期待しないですむだろ?

君ではない未来 次第に見えて

 

返してよ My life

リプライやメンション・通知も来ない物語(ストーリー)

ヨリ戻りはしないのに Why?

踊り狂い 悶えたらいいの?

 

冒頭の画だけで、情事の事後であることがうかがえます。

帰宅する準備を進めているであろうあなたと、帰るつもりがないのか、一向に服を着ようとしない僕の対比のシーンです。

ほとんど動かず床を見つめ、自分のパートであなたへと視線を移す大我と、落ち着かない様子でずっと自分のシャツの袖口をいじり、あなたを見つめたり床を見たり手元を見たりする北斗。これだけでも彼らのクセというか、性質が見えて非常に興味深いスタートの場面となっています。

この状況と歌詞を合わせて考えると、この時点で僕の立場は弱く、遊ばれている・軽んじられている存在でしかないことが分かります。

 

この次のシーンでは、今後の展開の鍵になると思われる、あなたからの言葉が僕に向かって囁かれています。そこで今回は、わたしが想像しうる範囲であなたの台詞を想像してみました。

ベッドに腰かける僕に向かって最初に発したのは、おそらく「(車で)送るよ」という内容だったのかなと思います。二人の逢引の最後がいつもそうだから、あなたから発せられる「送るよ」の一言は、その日の逢引が終了であることの合図であったのではないか、という仮定です。

そしてベッドに膝をついて僕と目を合わせた段階で、「今日でもう終わりにしよう」という提案がなされたのかなと思いました。「こんな関係はもうおしまい」とか「もうさよならしましょう」とか、そういった類の言葉が紡がれたのでしょう。

 

別れの言葉が告げられたと思しき瞬間、捨てないで行かないでと言わんばかりの泣きそうな目であなたを見つめて、力なく相手の腕を掴む北斗。体が離されても抵抗はせず、縋るように相手の細い腕を片手で掴むだけで、無理に相手を引き留めようとはしません。

一方大我は、何か決定的な言葉を言われたと思わしき瞬間に両手で相手の腕と腰を掴み、意地でも離さない、嫌だという意思の表れか、自らの頭を相手の体にぎゅっと押し付けています。

この対比も彼らの差異が感じられる興味深いシーンになっています。北斗くんの寂しそうな目でわたしが既に死にそうです

 

そしてこの瞬間、あなたの言葉に呆気に取られている僕に気付かれないよう、あなたが僕のシャツの胸ポケットに何かメモを仕込んでいるのが分かります。冒頭で二人の僕があなたを見つめている時、紙に何か書いている動きをしていましたが、この時僕に対する本当の気持ちを記した手紙を書いていたと推察できます。

別れの言葉を告げ、直接は伝えられない“何か”を記した手紙を僕の胸ポケットに仕込み、あなたは自分の服と鞄を掴んでどこかへ行ってしまいます。

 

そんなあなたを追いかけることもなく、サビ後に入る短いため息のような「ハッ」という音で、二人が後方に倒れる演出があります。あんなに相手を強く引き留めた大我が先に諦めて倒れこむのも、抵抗すらせずに縋る事しかしなかった北斗が後から倒れるのも、二人の諦めの悪さや感情と折り合いをつけるまでの葛藤の時間の差などが感じられますね。

倒れこんだあとすぐに感情を露わにして泣き出すのも、静かに受け止めているように見えて思考停止気味なのも、二人の演技から伝わってきます。どこまで行ってもきょもほくがきょもほくしてるな…

 

二人の顔をクリーム色のヘッドライトと真っ赤なブレーキランプが照らしたことで、着替えを済ませたあなたが家の表に車を持ってきたことがうかがえます。もうおうちに帰る時間よ、という彼女の意思を僕が嫌でも感じている瞬間でしょう。

寝転がっていた僕もやっと身体を起こし、あなたの家を出る覚悟を決めます。

 

 

2・別れの道程

 

“ここまでは良かった”

なんて言うつもりはない

最初から最後まで、ほら

筋書き通りなんだろう?

 

見えそうな 時の行方はなんだか

あぁまだ わからなくても良くなくもない

ってあなた どこに行くのか教えて

虚ろなまま

 

助手席で車に揺られる二人ですが、ここでも溢れる感情を我慢できずに涙をこぼす大我と、ぼんやりと遠くを眺めながらも時々視線を外して涙を堪える(泣く事すらまだ出来ない、も有り得るかもしれませんが)北斗、という比較ができます。

大我が感情表現豊かで整理も早い分、自分の感情を元にした行動をすぐ実行できるのに対し、北斗は一回一回の感情の咀嚼に時間がかかり、ひとつひとつの変化に対応した行動がすぐに伴っていかない、という印象の差がここまでで感じられますね。

あくまで曲を元にした演技ではありますが、そのベースには、限りなく本物の彼らに近い肌感覚があるとわたしは思いました。

 

 

3・別れの終末

 

暗夜へと消えてしまって

 

ぽつりと 零した

寂しさで壊れそう

脆いのは誰の所為?

 

消えそうな 声が届けば最後に

さよなら 言い捨ててやりたいのに

 

消えそうな 愛の行方はどこだか

あぁまだ わからなくても良くなくもない

ってあなた 火をつけたなら消してって

遊んだら 元ある場所へと仕舞って

 

雨が降る夜の中を走る一台の車はやがて停車し、車内の様子にカメラが切り替わります。

車の中で何かを告げられた瞬間、北斗の視線はこちらに向きますが、大我の目線がこちらに向くことはありません。もう別れの覚悟を決めたのか、あなたの言葉に抵抗の意を示すことなく、ただ静かに受け入れているように見えます。

北斗が何か言おうと唇を少しだけ動かした瞬間、あなたから言葉をかけられ、その目からはわずかな感情の機微が感じられますね。ここまでずっと感情の整理がついていない印象でしたが、この瞬間に何か腹を括ったような顔つきになるのが印象に残ります。

 

ここで音楽は一度止まり、降りしきる雨の音だけが響きます。傘もささずに二人は降車し、大我が振り返らずに片手でドアを閉めた一方、北斗は後ろ髪を引かれるかのようにきちんとドアに向き直り、両手でゆっくりとドアを閉めます。

先述にもありますが、おそらく停車した段階で別れの決意をしたのが大我で、もうどうにもならないことだと分かりながらも悪足掻きをしてしまっているのが北斗だな、とこのドアの閉め方の演技を見て再び思いました。

 

そしてここで最も印象的なシーン、「さよならって」「誰の所為って」という、作中唯一といっていい二人の台詞が登場します。それぞれが歌で担当しているパートから、その言葉を引っ張ってきていますね。

二人にかけるあなたの台詞か…と、最初より難しさを感じましたが、こちらもまた考えてみました。

 

別れの言葉であり、彼らそれぞれの言葉に呼応するものである、と考えた時に「もうこれでさよならだから」「二度と会うことはないけど」とか言われているのが大我、「誰の所為でこんなことになっちゃったんだろう」というニュアンスの言葉を投げられているのが北斗。

…と思ったのですが、MVを見てみると、わたしが想像したものよりも台詞が圧倒的に短い!何度見ても大我の方のあなたが何と言っているのか、わからずじまいでした。北斗の方のあなたが「ばいばい」と言っていそうな感じはするのですが…正直映像を合わせて考えてみても、憶測も憶測という感じになってしまっています。読唇術スキルがほしい。

でもだとしたら、「さよならって」「誰の所為って」という台詞は、どういう流れで起用されたのだろう?という疑問は残ります。いつかどこかでこのMVの裏話が聞けることを祈っています。

 

それぞれの台詞を言う場面でも、真っすぐに相手を見つめる・一切相手の目を見ない、という真逆の演技をする二人。窓に手をかけてまた涙を零して別れを惜しむ一方、微動だにせず静かに別れを噛み締めるところも、分かりやすい対比表現だなと思いました。

 

車が去っていく瞬間もそうです。走り去る車を一切見ない大我と、すぐに体を翻して車を目で追い思わず体が動いてしまう北斗という、あなたを目の前にしていた時とは真逆の動きで、相手との別れの瞬間を表現しています。

本当に面白いなと思うくらい、真逆の態度で同じ現象に向き合っているのがわかりますね。細かい演技の事前打ち合わせや指導があっても当然だとは思いますが、多分それがなくてもこの二人ならこうするであろう、という点を全て網羅している印象の方が強く感じられます。

 

 

4・別れの真実

 

曲も終わりに近づいてきました。もうこの時点で歌唱部分は終了しているので、最後の二人の演技の対比のみ記して、2章の考察を終了したいと思います。

 

胸ポケットに忍び込んでいた紙切れに書かれたあなたからの言葉は、きっと「本当に愛してしまいそうだった」「もうとっくに好きになっていた」「本気になったらおしまいの約束だから」といった言葉だったのかな、と推察します。僕の様子がおかしくなり始めたのを察したのか、本当にあなたが僕のことを愛し始めてしまっていたのか、どちらにしてもゲームオーバーを感じてのことだったのか、あなたの真意を知ることはできません。けれども、間違いなくその紙に「嫌い」という意図は書かれていなかったと考えられます。

もし「嫌い」と書いてあったとして、それをわざわざ手紙で追い打ちのように伝える意味が分かりません。それに何より、その手紙を読んだあとの二人の反応を見れば、そこに彼らを捨てるような言葉が書かれていないことは容易に想像できます。

 

手紙を読み終えた瞬間、膝から崩れ落ちて泣き出した北斗は、最後に泣き叫んだ上、手紙を地面に投げつけて蹲ってしまいます。部屋で別れを告げられた瞬間も、車の中で言葉を交わさず静かに過ごしていたときも、あなたに何か言われたときも、ずっと静かに自分の感情と状況を分析して向き合っていた彼が初めて感情を剥き出しにする瞬間が、このラストシーンです。ずっと何かを伝えたかった、言いたかった、思い切り嫌だと言って縋りつきたかった…。そんな風に自分の中だけで葛藤していたのに、もうあなたに何も届くことのない状況になって、初めて自分の気持ちに素直に従った行動をとります。

実に彼らしい、という感想は嫌でも抱いてしまいますが、この物語の中でこの選択をした僕のことを思うと、あまりにも苦しすぎるなと思わざるを得ません。

 

その一方で、あなたからの手紙を読んで全てを察した大我は、泣くことも叫ぶこともせず、慌てて踵を返して走り去った車を追いかけていきます。別れの言葉を聞いた瞬間、帰りの車の中、あなたから何か言われたとき、ドアを閉めた瞬間…、ずっと自分の感情を剥き出しにしてあなたにぶつけ続けてきた行動が、最後の場面にも地続きで繋がっているなと感じました。彼はいつだって自分が抱いた感情に従い、相手にそれを提示し続けた。無理にしまい込んだりすることはしなかったけど、腹を括ってからも「腹を括るぞ」という自分の意思にきっちりと従い続けました。

だからきっと最後のシーンで「本当に愛してしまいそうだった」といった、愛の告白ともとれる類の言葉が並んでいたであろう手紙を読んだ瞬間に、「追いかけなきゃ」という本能に従えたのだと思います。僕らは確かに今終わってしまったけど、本当の気持ちを吐露し合えばちゃんと恋人になれる。その確信を手に入れる為に、彼は走ったのでしょう。その先の空に、月や太陽が輝いていたのかどうかをわたしたちが知ることはできませんが。

 

映像はここで暗転し、「ってあなた」というタイトルが表示され、本編は終了です。

 

 

   まとめ

 

「ってあなた」は、彼らのセルフライナーノーツにあった通りの「弱い男目線で歌った、切なさともどかしさが詰まっているバラード」でした。しかも、とても極上の。

悔しいくらいに美しくて、愚かで、苦しい別れの歌でした。

 

結論から言うと、あなたと僕の関係は

①恋人、夫婦ではない

②不倫ではない

③浮気ではない

という3点は確実に言えるなと思いました。③は文脈の読み解き方次第では当てはまらないかなとは思いましたが、わたしが読み込んだ限りは③の線も薄いような気がします。

 

ただこの二人の力関係において、僕が圧倒的弱者であることは分かります。どちらが演じた僕も決して強気に前に出ていくことはなく、終始あなたの言葉の言いなりになっていました。

“あなたが前の恋人に振られたから慰み者になっただけ”という仮定が通るとして、その場合、無理を言って迫ったのは僕の方だったのではないかと思います。次が見つかるまでの暇つぶしでもいいとか、寂しさをぶつけてもいいとか。

だとしたら僕からの好意が発信されるのはずるいと思うし、その流れで相手の好きを受け入れて流されるのもずるいなとわたしは思ってしまいます。

また、もしこの関係が始まった時点で立場が対等だったとしたら、「好きになった方が負け」といったようなルールが二人の間には存在していたのではないでしょうか。あまり人に大っぴらに出来る男と女の関係でないことからも、その辺りは推察できます。

いずれにしても、僕の立場の方が弱かったことに間違いはありません。

 

二人の間に肉体関係があったことからも、やはりマイベストアンサーとしては“セフレ以上恋人未満”のような、一番の地獄を見るような関係性であったのではないかと思います。ちゃんと二人の気持ちを言葉で確認しあえていたら、恋人になることはできたかもしれなかったのに。でもそれは即ち契約違反だとも思うので、そのたらればはこの世界線では通らないものかなと考えます。

それから、記事を書く上で最も伝わりやすい言葉を選んだ結果の“セフレ以上恋人未満”という表現ですが、当人たちにとってはこんな簡単な言葉では済ませられない場合もあるし、もちろんこの言葉の自覚があってその関係性に甘んじていることもあるとは思います。その良し悪しについて、今回は論じませんが。

この物語の中の二人は、前者かな。結果論が“セフレ以上恋人未満”なだけで。

 

…確かにこの選択はずるいけど、本当に好き同士だったなら、ちゃんと言葉で確認し合えばよかったのに。せめて言葉で互いの気持ちや愛を確認しあってから、別れればよかったのに。

なんて、ずるい大人に成長してしまったわたしは、心のどこかでそう思ってしまったりもするのですが。

 

それから、やはり今回の作品の鍵は、京本大我と松村北斗が二人の僕を演じたことだと思います。

SixTONESの中でも普段から比較論を論じられやすい二人ではありますが、今回の演技や感情の表現に彼ら二人の性質の違いがとてもはっきりと出ていて、非常に面白かったです。

恐らく今回は、歌詞の世界観に基づいた“弱い男”像を、それぞれが読み込んで理解を深め、自分らしく演技したのではないかなと思います。その為二人の核の要素を感じられる、「僕」の色が深くて濃い映像作品に仕上がったのではないでしょうか。

 

二人の一挙一動を分析して考察しがいのある、美しい5分45秒でした。

 

 

   あとがき

 

さて、今回は「ってあなた」の歌詞考察及び映像考察でしたが、いかがでしたでしょうか?

正直歌詞も全編日本語でとても分かりやすいし、映像も見たままだし、考察エントリを書くほどでもないかなと思ったのですが、「どん底まで病んでいるついでにいっそ全部、隅から隅まで分析して考察してやるか!(自暴自棄)」となったので、しっかり書いてみました。

 

ただ、色々あって年末年始中に事前に発売されていた雑誌たちをチェックしきれないままアルバムに挑んだので、もしかしたらこの考察に活かせるものもあったのかな…と今少し後悔しています。これからちょっとずつ追っていって、また気付きがあったら、この世界に戻ってきたいなと思います。しんどいけど

 

ひとつひとつ拾い上げてみると、思ったよりも僕とあなたの感情の機微などが見えたのは発見でした。し、きょもほくの演技による対比を分析して文章化するのはとても楽しかったです。

わたしの周りのオタクは、彼らがステージに立つ姿を見て比較論を論じるタイプが多いのですが、6分弱の映像でもこんなに色々なことが見えると、とても興味深い研究対象だなあと感じずにはいられません。そんな風に書いてしまうこと、本人たちには申し訳ない気持ちもありますが。

セルフライナーノーツで北斗くんが述べていた「共通点と相違点の激しい2人だからこそできたハーモニーでもあるかと」という言葉は、歌声に関することだけを指すものではないようにも思います。これまでも度々言われてきたことの積み重ね感もありますしね。

 

きょもほく、面白いなあ。またいつか二人で作品作りをしてほしいなと、素直にそう思います。

まあわたしは何を隠そうほくじゅり厨なのでそちらも期待してるんですけどね!!ほくじゅりもコンビ曲が欲しい!!(強欲の壺)

 

それでは、そろそろ締めたいと思います。

 

 

自担の初めてのオリジナルソロ(的ポジションのコンビ)曲が、とても素敵な作品で本当によかったです。関わってくださった関係各位様、楽曲提供をしてくださった佐伯ユウスケ氏、そして何より京本大我さんと松村北斗さんには、心からの感謝を。

ありがとうございました!

 

以上、この4日間で200回くらい「ってあなた」を聴いた気がしているかすみでした。

おしまい。