今宵逢う人みな美しき

綺麗なモブになりたいジャニオタの独り言

美少年たちが歌う背徳の悦びを ~ジャニーズ背徳ソング特集エントリ2018~

 

皆様は、「背徳」という言葉はお好きでしょうか。

「背徳」とは"本来あるべき人の道から外れた、または背いたという後ろめたい感覚"、"道徳に反すること"からくる罪悪感なども含めた言葉です。日常生活で耳にする機会があるかないかで言えば、まあ恐らく少ない方なのかなと思います。小学校では道徳の授業があったり、社会科の科目にも倫理なんてものがありますから、道徳的とか倫理的とかいう言葉は聞いたことがあるでしょう。「背徳」はその反対の言葉です。

例えば大人の皆さまなら一度か二度は経験があるかもしれません。真昼間からビールを飲むと「あ~こんなに明るいうちからビールを飲むなんて、悪いことしてるな~」なんてこと、ありませんか?ビールに限らずお酒でそう思ったことがある人は少なくないと思いますし、お酒が飲めない人やまだお酒を飲むことができない未成年の子たちでも、この行為がどうして「悪いことをしてるな~でも楽しい~」という感覚に辿り着くのかということの想像は出来るのではないでしょうか。

本来なら昼間は仕事をする時間で、お酒は一日の終わりに飲むもの。飲んでしまえば車の運転も出来ないですしね。でもその時のビールって、格段に美味しかったりしませんか?わたしは真昼間のビールが死ぬほどうめえなと思ったことが何回かあります

 

なぜこんな話をするのかと言うと、今回メインテーマに扱うものが「背徳×ジャニーズソング」という、個人的に最も美味しいものだからです。先ほどは昼からお酒を飲むことを例にしましたが、いわゆる不倫や浮気等も「背徳」行為の内に含まれるものの代表格として扱われます。

しかしながらこの手の話をすると

 

「そういうことを言うってことは、本当に不倫とかしちゃうんじゃないの~?」

 

とか

 

「そんなものが好きだなんて不潔!最低!現実でもそういうことするクソ女!」

 

とか言われたりするんですけど 断じて違う

 

わたしは創作物における不倫・浮気は大変結構で大変美味しいものですが、現実問題でそんなことされたら彼氏だろうが旦那だろうが友人だろうが縁を切るレベルで無理です。実際に友人に年上のバ………女の人と不倫したことを自慢げに話してきたクソ野郎がいたのですが、スパッと縁を切りました。わたしに結婚報告を直接したいから結婚したことを公表してないとか言ってるらしいけど祝福の言葉を述べるつもりもないし縁も切ったので勝手にどうぞって感じなんですけどね

 

ウオッホン

 

すみません、つい愚痴が。まぁとにかく、現実でそういうことをする奴はクソです。間違いなくクソです。そいつがどんな言い訳をしようと知らんがなって話ですよ。自分のせいで何人が傷ついたかをお前を抜いて人数報告してみろって話です。オメーはどんだけ傷ついててもカウント対象外だからなって ね!

わたしはこんな性質なので、「創作物における背徳」が昔から大好きです。それが爆発したのが

 

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これです。「まさか嵐がここまでのことやってくるなんて思ってもみなかった(ドゥガーーーーン)」だったので、未だに聴く度衝撃を受け続けて震えています。この曲に関する熱い思いはぜひエントリを読んでください。ここで喋ろうとすると長くなりすぎるので。

紹介した「TWO TO TANGO」が好きなわたしですから、当然似たようなテイストのものは大体好きです。不倫をテーマに扱ったものは勿論、心中や駆け落ちといった、いわゆる「禁断の恋の終わり」に分類されるようなテーマも大好物です。近親相姦と教師生徒モノは興味ないです。でも大体こういう背徳ソングって男女の肉体関係ありきみたいなところもあるので、まぁ~~~あの~~好きです、そういうのも

 

そこでちょっと考えてみてほしいのですが、ジャニーズの歌ってけっこ~~~~~~~う多くないですか?背徳の匂いのする歌。自分が好きだから四六時中センサーが働いているということもまぁあるにはあるんですが、結構あるんですよ。グループの方向性で多少の差はあると思いますけど。

じゃあ実際どの曲がそれなの?ほんとに沢山あるの?きっとこれをお読みの皆さんはそう思われたことでしょう。

 

 

ここからがやっと本題です。

それならば「その沢山ある背徳ソングをまとめてしまえばいいじゃないか!」と思ったので、このエントリでまとめます。普段わたしが聴くグループからしか選出は出来ないので、もしこれを読んで「待って、これは?聴いた?聴け?」ってものがあったら 是非に教えて下さい

背徳ソング大好き女はす~~~ぐ飛んでいきます。フッ軽はジャニオタの誇り!

 

それでは、以下でいくつか背徳ソングを紹介していきますのでもし気になるものがあったら是非聴いてみてくださいね。レンタルショップに行ってもいいし、近くのオタクに聞いてもいいし。

あと今回はさらっと触れるものから激重語りするものと様々のご用意となっております。多分、このうちの一曲が好きなら大体どれも好きです、わたしが保証します。

 

 

 

 

 

   1.いけない関係なのはわかってる…それでも君の事が欲しいんだ。許されざる不貞愛

 

「unknown」嵐

この曲はこれから紹介する他の曲に比べて分かりやすく情熱的な訳でもないし、指輪などの婚姻関係の象徴も出てきません。そんな即物的なものの話などではなく、もっと夜の深い深い場所で花開く、静謐で、それでいて甘い恋の話。だけどその二人の恋はやっぱり表には出てはいけないもので、それを理解している二人は暗黙の裡にどんどんと迷路の中に迷い込んでいく…。

「我儘だけどほら 持て余した想い」「まるで世界中に忘れられている 今夜だけの鍵を探そう」「なくさないで今日の匂いを」…こうも静かで美しい言葉が紡がれていく一方で、作詞・櫻井翔のパートは「散らかるモラルの殻 no matter ah 保たない」「一つ定かな あからさまなsaga はなから 叶わないの我儘」と、それまで表面に浮き出てきそうで出てこなかった秘匿の部分を一瞬だけ剥き出しにするんです。

櫻井翔のラップ詞のすごいところってそこなんですよ。TWO TO TANGOもそうなんですけど、短いリリックの中に誰もが見たかった・知りたかったその世界観の核みたいなものをいきなりずる剥きにして出してきて、その曲の世界の色を一気に複雑に濃厚に鮮明に描き出すんです。この曲もまさにそう。あまり人気は高くないみたいだけど、個人的にはすごい推し曲です。

 

 

「Sugar」嵐

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「Sugar」も、詳しい歌詞の読み解きに関してはどうぞこちらをご覧ください。

この曲は耳馴染みの良いスウェディッシュポップなので、聴いている間はとても心地良い感覚に包まれてしまうのですが、よーく歌詞を見てみると実はここに登場する二人の関係性は不貞関係にあります。

「形ある物などもう要らないって ちょっと寂しげなSigh 手に光る指輪を眺めては 弄(もてあそ)ぶ」という歌詞があるのですが、ここで指輪を弄んでいるのは主人公(男)の想い人である女性です。形あるもので保障された関係性を考えたとき、一番に思いつくのは当然婚姻関係でしょう。彼女は結婚生活にもうんざりしているけれど、自分にアプローチしてくる男のところに転がり込むこともない。その宙ぶらりんな関係性の中で情熱的に、しかし弱々しく、時に繊細に彼女のことを愛そうとする男の様子と、ずっと強がっていたのに「いつかは二人も星屑になるの」という不意な一言に込められた寂しさを抱える彼女という、なんとも繊細で切ない恋愛模様が描かれています。

あと何よりこの曲の推しポイントは、二宮くんの「There's nothing I can do」と、翔くんの「So gimme one more kiss」という囁きパートです。

も~~トータルすると、この曲の良さって「軽快で耳馴染みの良い音と甘く切ない禁断の関係性を歌った歌詞」のバランスが絶妙なんです!いい!とにかく聴いてほしい!何てったって、今までに300曲を超える曲をリリースしてきたグループなのに、「Sugar」が入ってるアルバムがリリースされて半年も経たない内にちょこっとブームになった「# 嵐さんで好きな曲10曲」というタグの回答の8割で「Sugar」の名前を見るくらいみんな好きな曲なんです!ぜひに!

 

 

「Gimmick Game」二宮和也

不動の人気ナンバーワン病みソング(わたしが名付けた)

歌詞自体は、女の子を次から次へと乗り換えるクソ男を好きになってしまったメンヘラ女が好きな人から離れられなくて仕方なくて、でも浮気の確固たる証拠は掴んでいて、じゃあ別れましょうって時にもまだ「愛してる」「泣かないで」「笑って」と優しい言葉ばっかりかけてきてズルいわ…戻れるものなら戻りたい……。でもごめんね、それも嘘。わたしにももう次に愛してくれる人がいるし、泣いてるフリしたらわたしのこと見つけてくれる男の人なんていくらでもいるの。寂しい女でしょ、でもこの綺麗な世界の中で汚れたわたしはそうやって生きていくしかないから…………ねえ、そんなわたしのこと、キミは愛してくれる?

 

っていう 究極のクソメンヘラソングです

驚いちゃいけねえよお姉さん、この歌詞を書いたのは二宮和也本人なんだぜ。

本気の不倫愛にすら及ばない、ほんとにただただ自分がいつでもちゃんと愛されていないと気が済まないのに、誰の事も信じられないから本当に愛してもらうことすら出来ないという超超超負のループにハマってしまっているメンヘラちゃんのお話しです。

 

ところがどっこい、コンサートで見ると化けるんだこれが。コンサートから見ちゃったら最後、どんな風に聴いてもあなたはきっとこの曲の事を好きにならずにはいられない。その上で二宮和也の言葉選びに心臓鷲掴みされてどうしようもなくなるでしょうね。子犬のようなきゅるきゅるおめめとスマイルがトレードマークでありながら、計り知れない闇を抱えている二宮くんの一面を同時に感じることが出来るのでオススメです。

 

 

「Rolling days」櫻井翔

(ソロ曲ですが)嵐史上もっとも過激な不倫ソングです。と、わたしは思っている。

「揺らめく様な 香り近づく 目を閉じても 君と分かる」という歌い出しで始まるこの曲は、かなり情熱的に愛の地獄に堕落していく男女の様子を描いています。「始まりは いつも Underground」「終わりなんて 怖くないのさ」「終わりなんて いつか来るのさ」という歌詞からも、そもそも出会って恋に落ちてはいけない二人が愛し合ってしまっているという過ちを連想させます。全編にわたってこんな感じなのですが、ここでもすごいのはやはりサクラップの存在。

歌い方も然ることながら「終わりなんてないはず 会いたく…(なる) また拝借」「香りだけ漂う 想いまだ彷徨う」「もう離れなくていいんですよ だから…傍にいてよ」という、心臓を撃ち抜かれるほどの強烈な背徳感と狂気にも似た愛情表現。考えてもみてください、彼女と離れている時間に、ほの暗い部屋の中でほんの僅か残った彼女の痕跡を辿りながら狂ったように彼女を手に入れることを考え続ける主人公の姿を。狂気ですよ、本物の。それがこの作品の中における愛の形なんですよ。

とにかく一度聴いてほしい。というか聴けば聴くほど愛の渦に巻き込まれていくから何度だって聴いてほしい。何度だって歪んだ愛を探してほしい。純粋なほどに歪みきった愛を。

 

 

「rouge」菊池風磨

この曲、17歳の時に歌ってたソロ曲なんですよ。17歳。嘘やん。こんな禁断の恋の歌。

これは完全に自分が浮気相手の立場で、好きな女の子に彼氏がいることもわかっていて、それでも尚彼女を好きで好きで仕方なくて、求めてしまうことを止められない…という歌です。

「もう戻れないSecret night I'm sorry」からもわかるように、彼女と関係をもってしまったあの夜の前まで戻ることは出来ないんだ、ごめん…という後悔はありながらも「I just can't stop loving you どんな罰も受ける」と、君を愛することはもう止めることが出来ない、どんな罰でも受けるから許してくれと懇願する様子も見られます。他にも拾えば拾うほど、彼女の事が好きでたまらないけれど、これは許された恋じゃない、あと少しだけ彼女の事を愛させて、間違えた僕はどんな罰でも受ける…だからサヨナラなんて言わないで、という切ない禁断の思いが伝わってきます。

 

「So you're already wet?"yia"」「I'll make you say,"wooo-yia」の翻訳はここでは敢えてしませんが、そういうとこだぞ菊池ィ!!やってんなァ菊池ィ!!(2019/2/9追記:英詞部分、菊池風磨本人の作詞でした!!!!!!!!!!!!)

それからこれは余談ですが、「Sexy Zone presents Sexy Tour 2017~STAGE」で披露されたrougeパイセンでは大変生々しく騎乗位もしくは対面座位をなさる様子をご覧いただけます。見る時は背後に気を付けてご覧ください。

 

 

「Toxic Love」ジャニーズWEST

面白いだけの関西の兄ちゃんたちだと思ったらお前ら全員痛い目見るぞ?

「Toxic」は「有毒物質」「毒の」という意味を持ちます。有毒な愛…有毒な恋…。タイトルから完全にアウトです。底なし沼の予感しかしない。

歌の冒頭から読んでいくと、好きな女の子のことを奪って逃走しているかのように感じるのですが、「見つめる瞳 こぼれた雫 今飲み干せば 罪を消せるかな?」のように、罪の意識は確かにあるのに、あまりにも重い愛で以てして全て帳消しに出来るかなと思っているところが本当にもう。こいつらは…(頭を抱える絵文字)という感じです。

「運命さえもUpside down」とあるので、(あいつと君の恋が)運命だったとしてもめちゃくちゃにしてやるぞということも考えているし、「僕のモノにはならないって 分かってるのに罪を重ねてく」僕は、こんなにも愛している君のことがどうせ手に入らないなら「もういっそ君を壊したくなる」とも言っています。狂気。シンプルな倒錯。

とどめの「『もうこれで逢えない』なんて 言いかけた唇 塞いで」で、正気を保っている彼女のことすら自分の支配下です。本当によくない。この兄ちゃんたちは。もう。

 

 

「Into Your Eyes」中間淳太・藤井流星・小瀧望

イントロから蕩けるような甘さでいっぱいの一曲です。スローなR&Bがとても心地いい。

最初は「何気ない 平日の夜 約束もないけど こうして会えたね」という歌詞にもある通り、ごく普通の恋人同士の歌のように聴こえます。その後もデートのワンシーンにあるような甘さだけで構成された言葉の数々に、情景を想像してはこちらもニコリとしてしまいます。

ですが1番のサビの終わりに「鳴った 電話に 遮られた時間の 続きを 探そうか?」と少し不穏な情景が浮かぶのですが、もしかしたら仕事の電話だったかもしれないと思いたい気持ちは次の歌詞にある「君へと 近づくほど 友達のフリがうまくなってく」のフレーズでブチ壊されます。これはアカンやつーーーーーーー!!!!!!!

その後描かれれるのは名残惜しさを感じながら彼女と別れる逢瀬の終わりの様子や、逢っている時間と独りの時間が互いにフラッシュバックしあい、その狭間で彼女の事を愛しく思い恋焦がれる様子などが描かれています。ラストの「首に残すルージュと過ち」「今日も君の寂しげな瞳がうつす指のウソ」も解釈の幅が広く、その解釈を巡ってファンみんなが頭を抱えるほど。勿論わたしも抱えました。首に残すルージュと…過ち……君の…瞳がうつす……指の"ウソ"………。

ちなみにこれはコンサートで崩れ落ちた演出なのですが、三人はパフォーマンスの際に薬指に指輪をつけて登場します…………(察して)

 

 

「君は少しも悪くない」嵐

特に昔の嵐がお得意な失恋・悲恋ソングの中でもなかなか病んでる一曲です。タイトルだけ見ると「え?肯定的!」と思ってしまうのですが、曲を聴いてからこのタイトルを見ると「鬼病みじゃん……病んでる………」ってなります。

 

「君はもう キスの最中でも 着信を待つことをやめない」という歌い出しなのですが、彼女が待っている着信は目の前にいる僕ではない、どこかにいる彼女の想い人からの着信のことを指しています。今この瞬間にキスしてる僕がいるのに、目の前の彼女は他の誰かのことを待っている…こともちゃんと分かった上で「僕の恋はねじれてく」と言っています。

サビに入った瞬間も「愛してるのに 愛されてない」と言い、自分の気持ちと現状をしっかり理解しています。その現実を受け止めていますよという顔をしながら「食欲がない」「眠くならない」と、明らかな精神状態の影響からくる摂食障害や睡眠障害の症状を訴えているのです。こうやって書いてみると、結構これやばくないですか…?

しかもその上で「君はたぶん少しも悪くない」と、全ての原因である彼女の事は1ミリも責めたりしないんです。いやいや 病みすぎ

 

その後も「僕を見ない 君を責めない」「暗く深くふさぎ込む」(ふさぎ込んじゃったよ…………鬱か………)「振る 直前で つなぎとめてる 君は悪くない」と、最早鬱状態とも言える精神状態にありながら、絶対に彼女のことを悪く言わない訳です。最後には「強がりたくて 息ができない」って

いやいやいや 一緒に病院に行こう??????抗うつ剤もらおう?????お前死ぬぞ??????

 

ね?「君は少しも悪くない」って、すっごい病んでません?

 

 

   2.もしかしてこれってワンナイト?欲しいのはカラダだけ?ちょっとエッチな夜の歌

 

「Midsummer Night's Lover」嵐

2018年8月時点での最新シングル「夏疾風」のカップリング曲です。新入り。

曲調は昔の嵐っぽいです。AメロBメロのビートや旋律の癖ありな感じが「How's it going?」の頃っぽくて懐かしい。でも昔よりユニゾンの完成度が上がっているので、より洗練された軽やかで聴きやすいTHE・J-POPな一曲。歌詞も嵐お得意の英単語混じりのラブソングなので余計そう感じるのかも。

…というのが表面的な印象。「Sugar」ほど攻めた曲調ではないけど、表面的な印象と甘く爛れゆく恋模様を描く言葉選びの印象を併せて考えてみるとタイプ的には近いかな。

「小さな理由 聞かないルールを 二人始めた時から 分かっているんだ」「目を見ればすぐに 上書きされたStatus」などの歌詞からも、やや危なげな恋の歌であることはわかりますね。他にも「Let me take you out」「I wanna do more」「Is this love?」「Give me your love」「I wanna go far」といった少ない単語数ながら情熱的な愛の言葉が並べられており、タイトルの通り短くも熱い真夏の夜のようです。

この曲は夏のアバンチュールを歌った歌ですが、静かに燃え上がりつつも、その危険さに身を委ねるかの判断を"大人だから"見誤らないように葛藤している様子が窺えます。大人のラブソングですねぇ。大人だからこそ、もしかしてこれはただのワンナイトラブじゃないのかも…なんて想像してしまいます。ドキドキ。

 


「マスカレード」嵐
少し古めかしい歌謡曲チックなメロディーで、言葉選びもどこか昭和歌謡を感じさせるようなチョイスです。

曲全体に渡ってずっと彼女は不機嫌なままですが、彼はそれでも彼女に対して「長い髪が 誘う様に 夜がかけた魔法さ」「そんな瞳で見ないで また恋に落ちそうさ」「二人の世界さ 誰にもジャマできない」「踊ろう 君はマーメイドのように」といった、とてもロマンチックな愛の言葉を捧げ続けます。ただし、単にロマンチックな恋の歌かと思いきや実はそうでもなさそうなんです。

最初の歌詞にも「『どこにいくつもり?』」と、当て所ない旅に疑問を抱く彼女の言葉があったり、「スキャンダルに奪い去りたいのさ」という彼の本心が出て来たり。「今日だけは ガラスの靴 履いて 踊ろう」というフレーズからも、一晩限りの舞踏会に出席したシンデレラを連想させますし、それを引き継ぐように「おとぎ話の続きを見せるから 許して」「かりそめの一夜でも Shall we dance?」という歌詞になっています。

この彼女の背後に誰かの影が明確に見える訳ではありません。ですが「奪い去りたい」というワードが登場したり、一夜限りでも仕様がない…という諦めを覚悟している様から、背徳ソング見回り警察が見逃せるわけがありませんでした。

ということで今回紹介させていただきました。今回のラインナップだと大分ライトな方だとは思いますが…。

 

 

「SHE IS MY...」ジャニーズWEST

これが入っているシングルのA面が「僕ら今日も生きている/考えるな、燃えろ!!」なのが本当にギャップが酷過ぎて。嘘でしょ。のんちゃんあなた、可愛いもも印ボーイだったじゃない…。

曲調はWESTお得意のゴリッゴリのEDM。曲頭から電子音がバチボコに効いてる。そうなると既にヤバいクラブ感が出ていることは言うまでもないですね。

「Hey yo」という呼びかけのあとすぐに「やなら止めてみろよこのキスを」と畳みかけてくるところがこの言葉、選択肢があるようで一切ご用意されてないことの象徴すぎてしんどい。全然こっちに止める選択肢ないですやん。

サビ部分でも「帰りたいふりして電源オフして」と、キミはイヤイヤしてるけどホントのところはシたいんでしょ?というところまで見抜いている描写があるし、「こっちこいよ」という歌詞の直後に、ハイトーンで「ダメダメ」と重なってくるところが最高にシャブ。それはどっちの「ダメダメ」なの…?嫌よ嫌よも好きの内のアレ…?

「誰にも言えないキスをこれから始めよか 誰にも言えないことを今から始めよか」という歌詞からも、このキスが禁忌の一手であることが窺えます。

そしてこの曲の何よりズルいパートは「守りもしない約束をして すぐにやぶるぜ」と言い切っているところです。なんだそれ!!キスしかしないよってか?!キス以上はしないよ約束するよって?!それでいざキスしたらその約束はすぐにやぶるぜって?!!?!この、破廉恥!!

 

 

「Terrible」藤井流星・小滝望

ダァ~~~もう まずビジュアルが強い(そこ?)

不倫とか不貞愛ではないんですけど、これ確実に隠匿と表現してもいい躾みたいなものですよ。その躾は確実に背徳行為ですよ。

リリース当時は「エッチ…///」という感想が多かったみたいですね。それもまぁ大前提というか、そういう誘いがなかったらこの歌詞の世界観が「背徳」に繋がらないのは確かなんですよ。「素直になってみなよ」「刺激が 欲しいんでしょ?」「壊れたいんでしょ?」「乱れたいんでしょ?」という歌詞にあるように、そういうことを知らない初心な女の子を誘って、キミの中に眠ってる(肉欲的な)欲望を引きずり出して教えてあげる…っていう男の話なわけですから。

恐らく日常生活を送る上で彼女は"真面目で良い子"と称されるような態度をとっているのでしょう。でもそこに「My naughty girl(イタズラな僕の女の子)」「真面目なフリしても You're bad, So bad(君は悪い子だよ、とってもね)」という風に呼びかけて、彼女自身が縛られているその真面目で清純な姿から解放されて乱れるように導こうとキスをする僕の行動が見られます。もしかしたら彼女はそうやって自分の中に眠る自分の別の顔に出会うことも望んでいたかもしれませんが、はたしてそれは彼女が渇望していたことだったのでしょうか?

滲み出る淫靡な雰囲気にヤられてしまった僕が、彼女の中に眠るその姿を引きずり出してしまって、彼女を欲望の渦に突き落としたのだとしたら…?嗚呼、とんでもない極悪男ですね。

それこそまさに「Make me terrible」君は僕を極悪な男にさせるよ、ということでしょう。

 

 

 「SADISTIC LOVE」KAT-TUN

シンプルにエッチです

まぁサディスティックだからね、そうなんだけどもね。ワタシまさかジャニーズの曲でスパンキングって聴く日が来るとは思わなかったヨ。スパンキングが分からない子は絶対にママやパパや学校の先生には聞かないでこっそり某oogle先生で調べようね おねいさんとの約束だよ!

 

好きな女の子のことを監禁もしくは軟禁している状態で、肉体と精神の両方を支配して自分のもとに置いておこう、という歌詞です。「君はいつの日か逃げ出す 夜明け前に」という覚悟もしているけれど、可能な限り自分の目の届くカゴの中に閉じ込めておきたい…もう、君に出会って狂ってしまう前の平穏な日常には戻れない…。

そんな狂気と愛情が矛盾することなく、ひとつの形を成しているのがこの世界観です。勿論この感情を抱いているのはこの歌詞の主人公となる自分側だけであって、彼女の中には自分に対する愛なんて存在していないことも理解しているのでしょう。行き過ぎた愛情が歪んでしまって、それ故にその愛が嗜虐性を孕んでいることも理解しているし、その嗜虐性があってこそ自分が満足し得ることもわかっている。歪みのループ。負のループ。かつてここまで明確に歪んでいたジャニーズソングがあっただろうか。否、無い。

 

 

    3.貴方のことをお慕い申し上げております。一緒になれないのならあの世で一緒になりましょう…二人地獄は極楽ね、心中ソング

 

「TWO TO TANGO」嵐

ちょっとだけだから!!ちょっとだけだから読んでって!!さっきこの話は長くなるからしないって言ったの嘘!ごめんって!!詳しい話はさっきの読んでくれればいいから!!

 

この歌は非常にダークトーンな音が印象的なのですが、ダンスに誘う優しい言葉の裏にある登場人物の関係性が重要です。結論から言うと、この二人はおそらく結ばれてはいけない二人なんです。歌詞にも「それが泡沫の一夜だとせよ」という言葉で二人の関係性を表すものがあるのですが、その結ばれてはならない二人が出会って恋に落ちてしまったが最後、この二人がとった選択は「永遠になろうよ」というものでした。

この曲で言う永遠というのは「健やかなるときも、病めるときも、愛を誓います」という、健全で明るく祝福されるべき永遠ではなく、「永久に二人きりでいよう」というもの。タイトルになっている「TWO TO TANGO」というのは「二人に責任がある」、つまり「喧嘩両成敗」ということわざに翻訳することが出来ます。健やかな愛を誓うことの出来ない関係性の男女における責任の所在がタイトルになっているわけですよ。

本当なら出会ってもいけなかったし、結ばれるなんて言語道断。だけどこの二人は出会ってしまった、愛し合ってしまった。その愛が認められることなど無いというのに。じゃあどうしよう、どうしたらわたしたちは幸せになれるのだろう。……その愛が辿り着いた場所が"心中"だとわたしは解釈しています。

あとこの曲中に登場する「tango」「ダンス」って絶対セッ……でしょ!って思っています(小声)

 

 

「Can't stop」「Criminal」「Eternal」ジャニーズWEST

通称・狂愛三部作。この通称がつくだけでも結構ヤバイと思うのですが、本当にこの通称で呼ばれているからびっくりです。狂った愛、ですよ。しかも三部作。

ざっくり三曲の流れを説明すると、婚約者か夫がいるいいところのお嬢様がパーティーの最中にこの歌の主人公に連れ去られる逃亡劇を描いたものになっています。車でハイウェイを駆け抜け、追っ手から逃げながら二人は確実に愛の渦へ落ちていく。最後に辿り着いた廃屋の隅で二人は共に命を絶つ……ってこれも心中じゃねーか!!

でもこの三部作、面白いのは主人公は彼女のことを愛しているし彼女に出会ったから愛という感情を知ったよ…くらいのことをずっと言っているのに、彼女はたった一言も発することがないんですよ。ずっと目で会話してるんです。

 

「Can't stop」では「『助けて欲しい』 そんな目してた」「口を結びうなずく 黒目がちな瞳が『ついて行くよ』覚悟告げてた」

「Criminal」では「流れる血を 心配そうに 君がじっと見つめるんだ」

「Eternal」では「君は優しく微笑んで 静かにうなずいた」

 

と、彼女の描写があるにはあるけど、どれも彼女は無言のまま。目で訴えていると主人公は言っていたが、それも確かかどうかと言われれば怪しい。つまり言ってしまえばこれって主人公の独りよがりな愛の物語かもしれないんです。駆け落ちから逃避行、果ては心中までするというのに。だからこそ"狂愛"なんですけどね…。

 

 

「WATER DANCE」KAT-TUN

仄暗く怪しげなピアノの旋律で始まるこの曲、歌詞を一文字も読まずとも明るく楽しくハッピー!ではない曲であるということだけは明確に分かる。これはヤバイ。早く逃げないと死ぬ。

これは別で一本書きたいと思っているくらい好きな曲なので掻い摘んで説明しますが、どう考えても愛の海への入水心中です。愛の海とあたかもロマンティックに書いていますが、そのまま入水心中と捉えてもいいと思ってます。

サビ部分では薄いヴェールに言葉を乗せて幾重にもかぶせられるような…、柔らかくて軽いのに数多重なったそれは、重くて苦しくて前が見えなくなってしまうような、そんな風にわたしたちに覆いかぶさってきます。浪漫的で退廃的だけども、煌々と燃える炎のように熱く、氷点下のもっと深く深いところで泳いでいるような冷淡さもある。一見アンビバレントに見えるこの感覚が介在するのがこの曲の魅力です。

 

「輪廻転生生まれ変わり どんな罰も 受け止めるさ 毒を飲んで 眠るがいい 終わりのない 夢見るだけ」…わたしは、この歌詞がこの曲の全てだと思っています。

愛の海とか甘い罠とかまぁ他にも色々ありましたが、そもそも輪廻転生するためにはこの世の行いをそれぞれに応じた地獄で清算しなければいけなくて、それを踏まえるとこの曲中における他殺は衆合地獄辺りが該当するわけです。その衆合地獄で罪を清算する為には106兆5800億年かかるとされていて、……つまり、「生まれ変わるしどんな罪でも受け止める」と言い放つ本人は愛する人を殺して一緒に死んで終わりのない夢を見るだけと言っていますが、この場合殺された側はそこに該当せず既定の期間内で極楽に行って輪廻転生するので、苦しむのって殺した本人だけなんですよね。仏教の概念で言うところの地獄の裁きを前提にすると、なんですけど。

でもこれめっちゃ虚しくないですか。虚しいですよね。まぁそれでも愛する人と愛の海に溺れて死ぬことを選ぶこの行為が心中文化におけるロマンそのものだと思いますけどね(結論ここ)

 

悪いようにはしない、いいから「WATER DANCE」を聴け

 

 

 

……どうでしょうか?今回紹介したのは、嵐、Sexy Zone、ジャニーズWEST、KAT-TUNの四組からの選出のみでしたが、これもまぁ氷山の一角です。他グループ(KAT-TUN新アルバムにもずいぶんしんどい一曲があるらしい、という噂は聞いています)も入れたら、きっとまだまだあるのでしょうね…!とわくわくしながらこのまとめを打っています。

あと今回厳しめに絞ったので、お読みの皆様が正直「これは?!なんで無いの?!」と思う曲もあったかもしれません。テーマを「背徳」という言葉にしていたので、エッチなだけの曲は外してしまったりもしました…その辺はゆる~く見ていただけたら……と思います。

エッチな歌はたくさんあるよ……「Make U wet」とかモロそうじゃん…?嵐も結構あるじゃん…?「イン・ザ・ルーム」とか、ね、ほら めっちゃえっちじゃん…??

 

このエントリを書くにあたって「背徳」という言葉に沿って選曲しましたが、不貞愛・罪の匂いがするワンナイトラブ・心中を三本柱にしたので、普通のOne Night Loveは外したりもしました。てかここまで入れたら、はっきり言って際限がないです。わたしたちが思うよりジャニーズソングはOne Night Love楽しみ過ぎです。

あとジャニーズWESTの「CHO-EXTACY」は、すっごい悩んで悩んで外しました。というか、チョエクをここに入れようと思ったら深夜のクラブでキメセク☆ガチシャブ☆ヤク漬け☆激ヤバパーティーみたいな区分を作らなくてはいけないので……(褒めてる)(WESTくんの激ヤバパーティーソングだいっすきです、パリマニとかも好き)(チョエクはコンサート映像が本当にヤバイ)

 

なんだかおまけトークが長くなってきてしまいましたね…そろそろ締めます。

今回のエントリは本当にただただ自分が楽しいだけで書いたので、少しでもこれを読んで楽しんで頂けたらとっても嬉しいです。広まれ背徳の悦び。でも現実とは区別して生きて行こうね。

現実でそんなことしたら~~え~んがちょ!だよ!

 

 

かすみ(@mist_storm_1723)