今宵逢う人みな美しき

綺麗なモブになりたいジャニオタの独り言

嵐「Green Light」のエモさに触れる。

 

前回の「Sugar」に関する考察記事、実にたくさんの方に読んでいただきまして。

とても嬉しいお言葉も頂戴いたしました。有り難い限りです。読んでくださった皆様、TwitterでRT、いいねしてくださった皆様、本当にありがとうございました。

 

そしてなんとおこぼれで「TWO TO TANGO」のエントリもいっぱい読んでもらえたんだってよ!!おれはその事実がとても嬉しい!!!TWO TO TANGOはいいぞ!!!!!

イヤッホーーーーーーーイ!!!!

 

 

何かのご縁でこの記事を読んでくださったあなたも、良かったら「Sugar」と「TWO TO TANGO」について考察している過去エントリも読んでみてください

ちょっと、ちょーーっとだけ長くなっちゃったんですけど、あっほんとにちょっとなんですけどね!ちょっと長くなっちゃった「TWO TO TANGO」エントリはぜひ読んでほしいです!なぜならわたしはTWO TO TANGO強火過激担だからです

 

 

さて、そんな挨拶は置いといて。

 

今回は「Green Light」の歌詞を読み解いていきたいなと思います。

皆さんご存知「untitled」の一曲目。アルバムで聴いた時の衝撃は勿論のこと、ツアーの演出を思い出すだけで涙が止まりません。

早く円盤で拝んで泣き倒したいものです。

 

初めてこの曲を聴いた時の衝撃は本当にすごいものでした。

「なんだろう、知ってる嵐だし、知ってる嵐なのに、知ってる嵐じゃない。」この感覚がビリビリと全身を駆け巡り、歌詞を追うこともできず、ただ耳から注ぎ込まれる音に夢中になってました。

J-POPとして成立しているのに、曲自体はテクノっぽくもあり、ライトなEDMのようでもある。ただそこに乗っている五人の歌声はわたしがよく知るもので、サビの心地いい「Louder!」の重なりは「ああ、嵐だ」と思わせる気持ちのいいものでした。後半になると大野くんのフェイクも重なり、まぁまさに「THE嵐」って感じで。

そんなことを考えて聴いている間にあっさりと一曲終わってしまうんですね。殊にテンポが早いわけでもないのに、走り抜けていく感覚がすごい!

 

ツアー感想をまとめたエントリでも「車のエンジンを掛けたばかりのようなもどかしさを携えたスローリーさと、ふと気を抜いたら横をするりとすり抜けていってしまいそうなアップテンポさの綯交ぜになったこの曲」と表記しましたが、まさにこれなんです。

一曲目にふさわしい軽さと心地よいテンポのはずなのに、気が付いたら自分の横にはもういないんです。こんなに心地のいい一曲目、久しぶりに聴きました。

あとどうでもいい(ことはない)んですけど、このツアー感想で「車のエンジン」という単語を無意識に出していた自分の才能を疑いましたね。お前天才じゃね?!

 

あと音の面から何がいいかと言われたら、「Green Light」から「つなぐ」への繋がりが死ぬほどかっこよすぎることですかね。

あまりにも良すぎて「つなぐ」がシングルだってこと忘れました。いや「untitled」の為に誂えた曲でしょ?感がすごい。エッ嘘シングルなの?!しかも映画主題歌?!エ〜〜〜〜ッッ?!?!むっちゃ別のコンセプト抱えてる〜〜〜!!!!!!

「untitled」は、「Green Light」→「つなぐ」→「『未完』」→「Sugar」の流れが完璧すぎます。ほんとに。正直この四曲をバカみたいにリピートしてます。

気持ちいいんだ。ほんとに。これが。

 

 

と、「Green Light」に関する音の面からのアプローチはこれくらいにして。

このあまりにかっこ良すぎるアルバム「untitled」の一曲目を飾った「Green Light」を読み解いていきたいと思います。

 

前回の「Sugar」考察の際、一単語だけミスがありましてご指摘をいただきました。原因は、一度手書きにした段階で自分の字の汚さが仇となり「h」を「n」に見間違えていたことでした。

しっかりしろ!わたし!!

ご指摘いただいた方、ありがとうございました!

勿論、今回もまた同じミスをしないように注意しながら書く心づもりではありますが、もし何か不備がありましたらお気軽にお声がけくださいませ〜!

あと書いてる途中で思ったことを最初に書いておきますね。この曲の解説をする中で一人称を「俺」や「俺たち」と混合して使っている部分があるのですが、基本的には単数形・複数形には今回こだわってません。何なら「嵐」というグループを一人格として単数で捉えてると考えてもらえるとありがたいです!よろしくお願いします!

 

それでは、Green Lightのsignが出たところで、行ってみましょうー!

 

 

Green Light

 

 

 歌:嵐
作詞:AKIRA・JUNE
作曲:Christofer Erixon・Josef Melin

 

 

Can't stop this feeling

 

最初からいきなりたらればの話で申し訳ないのですが、もしもここの歌詞の頭が「Don't」で始まるものだとしたら、ここは俺のこの感覚を止めるなになるわけですよね。命令形なわけですから。実際そうした方がカッケー!ってなるときもあるよなと思ってしまうのですが、この歌詞は「Can't」なんですよね。

つまり「〜するな」ではなく「〜することができない」と訳すのが正解です。

自分の行動や感情・感覚を制御したり妨害してくる外野に向けて「〜するな」という言葉を用いて牽制するのは至極当然だと思うのですが、なぜそちらではないのか、と疑問に思いました。

が!!!!

 

考えてみてください、「俺のこの感覚を止めるな」と周りに命令するより、「俺のこの感覚は(君たち外野には)止められないんだよ」と言い放つ方が圧倒的にエモくないですか………………????????????

キツイ表情をしてギリギリの伸るか反るかのところで踏ん張っている表情ではなく、むしろ付いて行くのに必死な私たちを振り返るように見下ろして余裕で微笑む五人が見えませんか?見えますよね?だって「誰にも止められないよ、俺たちのこと」っていうんですよ?クソエモ(真顔)

嵐クッッッソエモ!!!!!!

 

まさか最初のワンフレーズでこんなにエモさを叩きつけられるとは思ってなかったので、わたしも今このエントリを書きながら息切れしてます。

 

「feeling」は "感情"  "感覚"  "意見"  "雰囲気" と訳すのが適当かなと思います。どれかといわれると、 "感覚" がわたしはしっくりきます。

が、この並びを見て感じるもの、まさにfeelingが大切なので、この部分は「俺たちのこの感覚は誰にも止められないよ」といった内容で意訳したいと思います。

ハァ〜〜余裕綽々で微笑む嵐カッケ〜〜〜〜!!

 

 

見渡せばNothing's in my sight

砂埃霞むMidtown

 

まず「Nothing’s in my sight」を訳してみましょう。

「Nothing’s」は "何もない" 、「in my sight」は "私の目の前で" と訳します。つまり俺の目の前を見渡してみてもそこには何もないとなります。

「Midtown」は "中央部" や "中心地" 。おそらく東京の暗喩なのかなと思います。

「砂埃霞む」と歌詞にはありますが、実際今の東京で砂埃に霞む場所は少ないでしょう。わたしの住んでる田舎では度々起きますけどね砂埃で目の前霞む現象。車めっちゃ汚れるから腹立つんだわアレ。

でもここの「砂埃」も直接的な砂埃ではなく、そういった前人未踏の道を目の前にした時の未知感を演出するものかと。まだ誰も踏んだことのない、見たこともない場所、まるで「俺らがあくまでタイトなパイオニア」と言わんばかりの光景です。

 

 

長い道のり刻んだMy life

目の前 照らすGreen light

 

「My life」は "私の人生" 、つまり長い道のりを刻んできた俺の人生です。Song for youみ〜〜

 

これ話が脱線することを承知で話しますけど、「untitled」って別に周年アルバムでもないし、毎年出させて頂いているアルバムに過ぎないはずなのに、どうしてこんなに過去を振り返ったり、今を見つめ直したり、未来を見据えたり挑戦的な姿勢を見せたりする曲が多いのだろう、と、シンプルに疑問を感じます。

これ別に20周年待っても良かったと思うんですよ。ていうかそっちの方が「っぽい」じゃないですか。

で、これは憶測ですけど、嵐は「ここであえて裏をかいてそれっぽいモノを出そう!」とかは考えてない気がします。今の彼らが表現するものとして極めて自然であったから、20周年でもなんでもない2017年に出したのかなぁと。「結果的に裏をかいてやったぜ!みたいになっちゃったよね」なんて笑ってそうな気もしますけど。

 

さて話を戻しましょう。

 

「目の前 照らすGreen Light」

はいお待たせ致しました!出てきましたね「Green Light」の単語が!

ツアー感想エントリであれだけ「Green Lightのエントリ書きたい!」とのたまっておきながら、実は「Green Light」が何たるかについては調べていなかったんです。アホです。

で、調べました。わたしも毎日お世話になっているアレでした。

 

「Green Light」とは "青信号" のことで、転じて "許可" という意味を持ちます。

n番煎じのド定説ですが、日本人はあの緑色の信号の光を見て「青信号!」って言いますもんね。超基礎的な考え方だったこともすっかり頭から抜け落ちており、タイトルから即座に連想できなかったなーと反省。

つまりここの「目の前 照らすGreen Light」は俺の目の前を青信号の光が照らしているとなります。

俺たちの前に立つ奴なんか誰もいないこの場所(東京)で、長い道のりを振り返ってみるけど、止まってる暇なんてないな。だってもう青信号が俺たちの未来を照らしてるんだから。

ここまでをまとめるとこんな感じでしょうか。

 

 

Catch me if you can Uh wow

片手でSpinning the world

無傷ならば絶対Wrong 痛むならRight

 

「Catch me if you can」のあとの「Uh wow」は聴いてわかる通りハミング部分になるので、ここでは省略します。

「Catch me」は "私を捕まえて(捕まえろ)" です。「if you can」は "もし君に出来るなら" 。

合わせるともしも君に出来るなら私を捕まえて、となります。でもこの曲がこんな生ぬるい優しい語調でいいわけありませんね。というわけでここも意訳します。

今までの流れを汲むならば、俺たちのこと捕まえてみろよ、出来るもんならな辺りでしょうか。やってみろよと言わんばかりの挑戦的な態度が相応しいかと思います。

 

だって「片手でSpinding the world」ですもの。「Spinding」は "回転する"  "くるくる回る" 、「the world」は "世界" ですよね。両手で、全身で、一生懸命に世界を回すんじゃないんです。片手でいとも簡単に回してやるよこの世界、という余裕すら感じます。バスケットボールじゃねぇぞ世界は!!

 

そして個人的にはここからがアツイ!!

「Wrong」は "悪"  "罪"  "不適切な" 、「Right」は "正"  "適切な" となります。

「無傷なら絶対Wrong」は無傷なら絶対に間違ってる、「痛むならRight」は痛むなら正しい

となりますね。イヤ〜〜〜〜クソほどエモい〜〜〜〜ヒエエエ〜〜〜〜!!!!

今まで自分たちが走り続けてきたことを前提に話を進めると、その道を走っている間に沢山の色んなことがあったと言っても過言ではないわけですよ。というかあったじゃないですか。

でもその過去を振り返った時に「もしも俺たちが傷を負っていなかったとしたら、それは絶対に間違っている」と言い切るのに対して、「もし今痛みを感じるなら正しかったんじゃない」と、ふわっと自己肯定をしているこの感じ  わかります?!?!なんで間違ってることはきっぱり言い切って怖い顔するのに、正しさを肯定するときは余裕綽々でさらっと済ませるの?!?!

もうわかんね〜〜嵐どこまでいくの〜〜〜〜一生着いていく〜〜〜〜

ここのパート、さらりと歌われてましたけど、このエモさがヤバすぎて、ハァ、、、、好き、、、、ってなってました。

 

出来るもんならこの俺たちを捕まえてみなよ。俺たちはこの世界だって片手で回してやる、だって今までもそうしてきた。その証拠に傷だらけだよ。でもここまで来る間に痛みを感じていないのならそれは絶対に間違ってるし、痛みを感じているのならそれ(=今までの道のり)が正解だったってこと。でしょ?

 

ハイ クソエモ大賞

 

 

このてっぺん まだまだI'm the owner

蹴り上げた水面 It shows the crown

 

「I’m the owner」の「owner」は "所有者"  "権利者" となります。つまり、(さっき書いたような)傷を負いながら手に入れたこのてっぺんはまだまだ俺たちのものだから、と言うんです。この人たち。

この今の状況がずっと続くわけがないそれが人気商売というものだ降りていくときはみんなで一緒に降りていこうねと常日頃から口に出して覚悟している嵐にこの歌詞を与えることのエモさの深みがマジヤバすぎて良さみの良さが与謝野晶子〜〜!!!!(一息)

 

ハァ、、、、、、

 

嵐ってさぁ そういうとこだよ

紅白のときもそうだよ

負けたことに対してみんな「いや〜悔しいです!でも仕方ないですね!」「みんな頑張りましたから!」ってニコニコ笑顔でインタビュー受け続けて「来年また出させていただけるなら頑張ります!!」って言ってるかと思いきや

まさか一年後のツアーのMCで「去年の採点方法おかしかったよね?」「マジ悔しかった」「だから俺司会決まってから一番に言ったよ、採点方法考え直しましょうって。おかしくないですかって」って話すじゃん

そういうとこだよ

 

外面がいいだけじゃん!って話ではなくて

ちゃんといい子しないといけないところは心得てるし、いい子ちゃんな大人やるんだけど、心のどこかで「ぜってー負けねぇ」みたいな、死ぬほど負けず嫌いなところとか、反骨精神的なものとか、そういう絶やしてはいけない何かを絶対に捨てないじゃないですか。これだけ人気が出ても。もし今の人気に胡座かいてたらそんな感情とうの昔に消え去ってるからね。

嵐のそういうところが露骨に出た歌詞だなぁと、わたしは思うわけです。

 

紅白のエピソードは氷山の一角でしかないけど。

間違ってるものに異を唱えることって、大人になればなるほど難しかったりするんです。周りの評価を気にしたり、それに向かって来る反対意見とまた討論しなくちゃいけない煩わしさとか、手間とか、そういうものを考えて黙っちゃうことってよくあるじゃないですか。黙っとこ、みたいな。日本人なら尚更。

でもそこを正攻法で落とす為に「間違ってるものは間違ってる、こっちの方が正しいよ、だってこうこうこうの理由があるでしょ見てほら。ね!はい改善」というところまで持っていくのが、やっぱりすげぇなと思わずにはいられないんです。それが日本人向きのやり方かどうかは置いておいて。

 

そんな人たちに与えられた「このてっぺん まだまだI'm the owner」です。エモい、エモすぎる。

いつか来る時を覚悟しながら、それでも心のどこかでは「絶対譲ってやらねえ」と言わんばかりの攻めの気持ちをこの歌詞から感じずにはいられません。

 

 

ちょっと前半が長くなってしまいましたね。次の「蹴り上げた水面 It shows the crown」の部分に行きましょう。

ここの「crown」は素直に "王冠"  "帝位" や "極致" といったもの、つまり "トップ" と訳すべきなのだろうと思います。で、その前に「蹴り上げた水面」とついてますよね。

勢いよく動き出した自分たちの足元を描写したあとに頂上見せてやるよって言葉が付いているということでしょうか。あながち間違ってないとは思ってるのですが。なんとなくここだけ明確な言葉が見つからずにいます。

あとここの「水面」「crown」という2つの単語からミルククラウンを連想してしまって。まぁあれも王冠の形になるものですから、いずれにしても彼らの頭の上に王冠が輝くようなイメージで捉えてよいのかなとは思ってます。

 

 

逃げ道はない Let me swear to god

(乗りこなすRight in time

It's gonna be a bumpy ride)

 

まず「Let me swear to god」を分解します。

「Let me」は "私に〜させる"  "私が〜する" 。

「swear to god」は "神にかけて誓う"   。

となります。

つまりまとめると、私は神に誓うとするのが自然かなと思います。

 

ここからは一気に単語を訳していきますよ!

ところでなぜこんなに細かく分解するのかというと、わたしが英語出来ないからです!!!!!ごめんなさいね!!!お付き合いください!!

 

「Right」は "正しい" 

「in time」は "いつか"  "間に合って" 

「It’s gonna be」は "これは〜になる" 

「bumpy」は "デコボコの"  "ガタガタ揺れる(道)" 

「ride」は "乗る"  "乗り心地" 

 

で、これを基にして一文丸ごと翻訳すると、このガタガタ揺れる不安定なデコボコ道も、いつかはきっと正しい(=まっすぐの、走り心地のいい平らな)道になる、でしょうか。

 

 

そしてこの前のパートと繋げると、

やっと手に入れた輝かしいトップの座に座ったが最後、逃げる道などない。俺は神に誓うよ。今まで走ってきた(今でも走っている)このデコボコな道すらも、いつか正しい真っ直ぐな道にしてみせるから。

 

 

Get down everybody

見据えるよ New target

3 2 1 Get ready

 

ここ!前の部分からスピード落とさずに読んでほしいのですぐに和訳します!

 

「Get down」は "身をかがめて"、 「everybody」は "みんな!" という呼びかけ。つまりみんな身をかがめろ!という呼びかけです。

そして見据えるのは「New target」、 "新しい標的" 。

3 2 1のカウントのあとに叫ばれるのは「get ready」、 "整える" つまりタイミング整えろ!という言葉。

 

前の歌詞に続くようにここを意訳すると、

みんな身をかがめて新しい標的を見据えろ、いいか、3、2、1…行くぞ!

…って感じでしょうか。

 

サビ前にこれ入れてくるの、かっこいいですよね。前の歌詞で手に入れたトップの座をしっかりと享受・肯定して、尚且つまだまだ先陣切って走り続けると歌ったあとに「体勢整えろ!行くぞ!」って、決めちゃうんですもん。まさにサビ前に相応しい歌詞です。

 

 

We are gonna make it louder! Louder!

破裂するAmbition

叫べDown to the wire

 

またしても英単語の訳に入ります。「Green Light」の考察、なにが時間かかるってこの和訳が時間かかるんだ…(ぶつくさ)

 

「gonna make it」は "それを作るつもり" 、「louder」は "大声"  "騒々しい" になるので、俺たちは騒々しい声を作り出すつもりとなります。これをもう少し自然な形に意訳すると、俺たちは大きな声を上げてやるぜ、になりますね。一騒ぎ起こしてやるぜ、なんていう訳もいいかもしれませんね。

するとそのあとに付く「Louder!」は、さっきget readyしたeverybodyに対しての呼びかけともとれるのではないかと。まさに叫べ!です。

 

「Ambition」は "熱望するもの"  "野心" です。破裂する野心、です。とうとう俺たちが野心を剥き出しにしました。攻め始めましたね、と思わずにはいられないワンフレーズです。

「Down to the wire」は "最後の一瞬まで"  "とことん最後まで必死になって" という意味ですから、最後の一瞬まで必死になって叫べ!と訳せます。必死になってと書きましたが、足掻いて、みたいな表現もいいかなと思いました。個人的に。そっちの方がこの歌詞の流れに合うような気がしなくもないです。

 

トップに立った俺たちはまだまだここで大きな声を上げてやる!さあ叫べ!俺たちの中に眠る暴れだしそうな野心すら剥き出しにして、最後の一瞬まで必死になって叫べよ!

そんな感じでしょうか。

 

 

I have got the power! Power!

無限のEvolution 迷いは要らない

 

 この英文は何となくわかるでしょうか。「I have got」で "私は持っている" で、なにを持っているかと言えば「power」です。ここでの「power」は "能力" や "実力" とします。

つまり俺たちは実力を持っている!と声高らかに宣言しているわけですね。そして無限に俺たちの進化は続いていくのだから何も迷うことはない、とも言い切っています。「Evolution」は "進化"  "発展" を意味しますね。

 

 

すでに光り始めていたSign

Can't nobody hold me down

 

 はいきた!サイン!今度こそサインです!(その節は失礼いたしました…。)

「sign」は "合図" です。「すでに光り始めていた」とありますが、おそらくこの時光っているのは先述にある「Green Light」のことですから、既に光っていた青信号ということですね。要はもうGOサインは出ている、ということです。

「Can't nobody hold me down」は、まあ例のごとくまず分解します。「Can’t nobody」は "誰にも〜できない" 、「hold〜down」は "〜を組み伏せる"  "〜を押さえつける" で、ここで "〜" にあたるのは「me」つまり "私" です。私を組み伏せることなど誰にもできない、になります。

既に光るGOサインを見た俺を組み伏せて止めることが出来るやつなんか誰もいないぜということですね。

 

 

We're gonna make it louder! Louder!

さぁ この瞬間を 強く握り締めて

It's destiny

 

「We're gonna make it louder! Louder!」は先程意訳しましたね。今回は俺たちが一騒ぎ起こしてやるぜ!の方を採用します。

そうやって一騒ぎ起こしている今この瞬間を逃すことなくしっかり握り締めていよう、こうなることは運命だったんだからね、と。言うわけです。

 

うん、めい……………(両手を握りしめて天を仰ぐ顔)

 

 

 

 

 

 

エッ…………モイ…………………………ッッ

 

 

 

さも当たり前だと言わんばかりに余裕綽々で「こうなることは運命だったんだから」と…自分たちがトップに上り詰めたことを、今までしてきた苦労や辛かった出来事なんてわたしたちの見えないところは放ってしまうかのように、「It's destiny」と締めてしまう…嵐………

きみたちは…どこまでかっこよくなってしまうの………

 

 

纏わり付けばAccelerate

ついてこれるかな Big boys?

 

ここ、訳し方を少し変えます。

まず先に「Big boys」を訳しますね。「Big boy」は単なる大きな男の子という意味ではなく、 "大物" という意味があります。つまり沢山いる大物たちに向けて「ついてこれるかな」と挑発的に呼びかけていることになります。

すると、「纏わり付けば」の正体がわかるわけですね。俺たちにまとわりついてくるのは様々な大物たち。ここでの大物は、勿論業界の先輩にあたる人たち含め、例えば彼らに苦言を呈するような評論家だったり、記者だったり、どこか大きな力を持った組織などのことも指すのかな、と思ったり。

そんな邪魔くさい大物たちが纏わり付いてきたら「Accelerate」、 "加速する" 。俺たちの行く道を邪魔する君たちは、スピードを上げて逃げる俺たちに果たしてついてくることができるのかな?と問うているのです。しかもかなり挑発的に。

 

 

Catch me if you can Uh wow

指先で Knock you down

瞬きするヒマない Eyes wide open

 

最初の一文は先ほども訳しましたね。ここでも俺たちのこと捕まえてみろよ、出来るもんならなと訳します。その後のハミング部分に関しても同じです。

「Knock you down」は "君を殴り倒す" と訳せます。ノックダウンという単語なら皆さんも耳馴染みがあるかと思いますが、どちらも相手にとっての致命傷となる一撃を与えるということになるので、指先だけで君たちを倒してみせるさとでも意訳しましょう。

次の「Eyes wide open」は "目を大きく開いておけよ" となり、その前の文と繋げると瞬きするヒマすら与えないからちゃんと目を見開いていろよになります。

つまり、そんな風に騒ぐ外野なんか大して気にしちゃいないし何なら指先ひとつで倒しちゃうから、精々俺たちのこと見逃さないように見てろよ、でしょうか。

全編にわたって敢えて強気な語調で意訳しているのもありますが つ、強気〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

 

ホンモノだけに許されるSurvive

(Superheroなんかじゃない

だけどI'll be very nice)

 

「ホンモノだけに許される」のは「Survive」。 "生きながらえる"  "生き延びる"  "残存する" という意味ですから、この世界に生き残れるのはホンモノだけだと言っています。

しかしながらその後に()を使って、おそらく彼らの心のどこかにある本音とも取れる言葉が述べられていますね。自分たちはスーパーヒーローなんかじゃないけど、「I’ll be very nice」 "私はとてもいい感じ(素敵)になる" 、自然な文にするなら俺らめちゃくちゃいい感じでしょ、かなぁと。

蛇足ですが、「good」と「nice」は微妙にニュアンスが違うらしく、前者は「上手さ、出来の良さ、質の高さ」を評価するときに、後者は「人柄の良さ、見た目のよさ、礼儀正しさ」を評価する際に使うのだそう。ネイティブの方でもかなり感覚的に使い分けているもの、という意見も見たので、我々日本人が的確に使い分けたりするのは少し難易度が高そうだなと思いました。

 

 

Get down everybody

狙い撃ちさNew target

3 2 1 Get ready

 

ここも1番のパートで同じ文を訳しているので省略します。

行くぞ!という呼びかけになりますね。

 

 

今飛び出せ Run up! Run up!

突き抜けろEverything

走れDown to the wire

 

「Run up」は "駆け寄る" の他に "急上昇する"  "急成長する" の意味があります。今回は後者の意味で取る方が文脈に相応しいかなと思うので、 "急上昇する" を選びます。

(前のパートからの引き継ぎで)準備は出来ただろ?今飛び出して急上昇しようぜ!「Everything」、 "すべて" を突き抜けて、最後の一瞬まで必死で走れ!となりますね。かなりスピード感のある言葉だなぁと思います。

 

 

Come on, let's go! Light up! Light up!

輝き続けて 燃え尽きるまで

 

カモーン!レッツゴー!は、皆さんも聞き覚えのあるものだと思います。さあ行こうぜ!ですね。

「Light up」は "照らす"  "車のライトをつける"  "火をつける" です。辞書的な意味も踏襲しつつ文脈に沿う表現を選ぶなら、光ってかなと。

そうして、光ったまま輝き続けて、その光がいつか燃え尽きてしまうまでは、と言っています。

 

やっと手に入れたこの頂の座を譲る気はないと言っているのに、どこかでいつか燃え尽きてしまうことも覚悟している。燃え尽きるのは人間としての生命のことなのか、この世界で生きているという事実なのか。どちらの意味も併せ持つような気はしますが、いずれにしても実に「嵐らしい」歌詞だなと思いました。

 

 

すでに光り始めていたSign

Can't nobody hold me down

 

ここも先ほど訳しましたので省略です。

 

 

Keep on going, run up! Run up!

更なる自分を 求め続けてゆく It's destiny

 

「Keep on going」は "続けていく" 、つまり「run up」を「Keep on going」しろということですね。このまま上昇を続けていけ衰退することなくこのまま上り続けろ、ということでしょう。

そうして「更なる自分を求め続けてゆく」ことは「運命である」と。

 

 

理由なんかないんだ

この世に生まれたことの意味

Please please give me give me

The green light show me the way today

 

ここを読んだときも「(前向きな意味で)諦観している嵐」と「野心を滾らせる嵐」の二局面を一気に見た気がしました。

「Please give me」だけでも "お願いだから私に(それを)くれ" というお願になりますが、どちらの単語も二回重ねて並べています。普通にお願いをするより、更なる意志の強さを感じますね(「Sugar」でもlonelyを重ねることで孤独感を強調する歌詞がありましたね)。お願いだ、俺たちにそれ(=生まれた意味)をくれよ、ということでしょうか。

「The Green Light」はもう分かりますね。俺にGOサインを出す緑の光です。「show me」は "私に見せてくれ" 、「the way today」は "今日の道" 、意訳すると今これから俺が進むべき道です。

 

この世に生まれた細かい理由なんか今更ない、けれど生まれたことの意味は手に入れたい。頼むから俺の手にそれをくれ。さぁ青信号よ、俺たちがこれから進むべき道をグリーンの光でもっと照らしてもっと見せてくれ。

…といったところでしょうか。

(ここ書きながらツアー演出思い出して泣きました。強烈なまでのグリーンの光で埋め尽くされたあの会場は、彼らの行くべき道を照らす光に塗れた空間だったんですね)

 

最初の方にあった「目の前 照らすGreen light」の部分で長い道のりを振り返ってみるけど、止まってる暇なんてないな。だってもう青信号が俺たちの未来を照らしてるんだから。という意訳をつけましたが、ここの歌詞はそれを踏まえた上でもっと照らしてくれよと求めているかのようにも思えます。

 

 

We are gonna make it louder! Louder!

破裂するAmbition 叫べDown to the wire

I have got the power! Power!

無限のEvolution 迷いは要らない

 

すでに光り始めていたSign

Can't nobody hold me down

We're gonna make it louder! Louder!

さあ この瞬間を 強く握り締めて

It's destiny

 

ここは繰り返しの歌詞になりますから、詳しい訳は省略します。

 

 

さて、最後の最後が省略になってしまったのでやや歯切れの悪さも感じますが、以上で歌詞の分析は終わりです。

いかがですか?ひとつひとつ細かく分析した今までの文を読んで、強烈なまでの「攻めの姿勢」を感じませんか。これが「untitled」における一曲目です。「untitled」の開幕です。

 

 

このエントリを読まれて、もしかしたら「なんか『Sugar』の時と違うな」と感じた方がいらっしゃるかもしれません。そうですね、それは書きながら自覚してました。

し、意識しながら書いてました。

 

この世の中に溢れる歌詞には色んなタイプのものがありますが、「Sugar」が完全なるフィクション・物語的なのに対し、「Green Light」は私小説的だと感じたのが全てのきっかけです。わたしは「Song for you」は完全なる私小説だと思って聴いていますが、「Green Light」はあくまで私小説 "的" と定義しています。実に嵐らしい歌詞の内容であるし、この歌詞を細かく読めば読むほど「嵐じゃん!」と思ったのは事実ですが、嵐自身が自分たちのことを意識してこれを書いたわけではないし、「Song for you」のように分かりやすく彼らの歴史を擬えた言葉が並んでいるわけでもないからです。

でも嵐のファンが読めば「これって…」となりますよね。だからあくまで「私小説 "的" 」としています。

 

そう考えてみると、この「untitled」の始まりと終わりは「嵐」を如実に象徴する曲で彩られていることになります。disc2は一旦置いといて。

無論、リードトラックとして披露されてきた「『未完』」もこれからの嵐の姿を描いた攻めの嵐に相応しい曲だと思いますけどね。それこそ歌詞も曲調も「新しい・これからの嵐」ですから。

でもリードトラックでもなく、売り文句に並んでいた「組曲」でもない一曲目がこんなにゾクゾクする程カッコよくてエモいなんて わたし聞いてないわよ!!!!

と、感じていたわたしの気持ちは分かっていただけたでしょうか。

 

 

以下個人的な感想になります。あっそって思いながら読んでほしいです。

 

正直「Song for you」や「『未完』」に匹敵するレベルのエモ曲だということはこのエントリを書き終えそうな今ビシバシ実感しているのですが、全体的に英単語や英文が多いことによって、その衝撃が(よく言えば)緩和されている感じがします。

聴き心地のいい曲調に、(英語のできないわたしには)聴いてすぐに理解が出来ない英語がさらさらと乗せられていくことによって、一曲目としての程よい軽さと心地良さを提供しつつも、その実「untitled」に相応しいだけの攻めの姿勢を併せ持っているこの曲が仕上がったんだなぁと思いました。

 

「Song for you」が相当ゾクゾクする一曲だってことはわかります。だって聴いてるだけで聞き取れる日本語で組み立てられた歌詞は、聞けばすぐに「そういう歌詞なんだ」「そういう意味なんだ」ということがわかりますもんね。

でもそれだけ重みのある曲がアルバムの一曲目にきてしまうと、良くも悪くも胃もたれ感が出てしまうなと思うんです。それで成功するか失敗するかはその後の組み立て次第だと思いますし、LOVEはそのやり方で成功したアルバムだと思ってます。

 

程よい軽さと心地良さ、そして嵐の私小説 "的" な攻めの姿勢。

「Green Light」に関する評価はこの一言に尽きます。ハァ、かっこいい ほんとかっこいい

 

クソエモ大賞最優秀賞受賞だわ

 

 

さて、今回のエントリはここまで!

長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。お疲れ様で御座いました。

 

 

かすみ(Twitter→@mist_storm_1723)